カーテン

涼しさを取り戻しかけた夏の夜に響くのは
グラスからあふれるビールよりも急激な
踊りやまない人々の歓喜と熱狂の氾濫。

開いた窓を遮るカーテンでさえも
風とともに押し寄せ続ける
騒ぎを拒絶することはできずに
ちょっとやめてくれ、と口には出さずに
たなびくその姿に苦笑いを浮かべている。

グラスに注いだコーラから弾け出す炭酸が
のどの中でシュワシュワと快感を迫ってくるように
僕は一人、祭りの街道を耳で楽しみながら
明日を作る昼の空の色を描きつづけている。

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By GloomyWind 2003/3/29
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